毎日新聞:記者のこだわり 障害とともに~難聴のある弁護士~
毎日新聞に、難聴のある弁護士が、UDトークアプリを使いながら、裁判や会議など仕事をこなす様子や、そこに至るまでの葛藤が取り上げられています。
【毎日新聞:障害とともに~難聴のある弁護士】
https://mainichi.jp/articles/20181215/k00/00m/040/
(一部引用)
「当職は、両耳高度感音性難聴のため、聴覚障害を補う機器を使用することを許可願います」。裁判が開かれる数日前、久保さんは地裁に申請し、許可を受けた。スマホで使っていたのは、音声認識アプリ「UDトーク」。音を聞き取り、即座に字幕を作成できるこのアプリを活用することで、仕事でも日常会話でも、スムーズなコミュニケーションを行うことができている。法廷でも3年前からアプリを使っており、「やり取りがすごく楽になりました」と語る。
UDトークやスカイプ等、IT技術の進歩は聴覚障害者のコミュニケーションを支えてくれるでしょう。
でも、さらに大切なことがあります。
この記事の中に重要な言葉がありました。
(一部引用)
西尾さんは、どのように久保さんに接したのか。特に助かったのは、「たわいのない情報を届けてくれた」ことだ。「ボスは何かの作業に集中しているみたいだから、今は話しかけない方がよさそうだよ」「事務所の中でこんな話題で盛り上がっているよ」。西尾さんは事務所内で起こっていることを細やかに雑談交じりで伝えた。
久保さんが情報を得ようとする時は、アプリを使ったり、マイクを向けたりして意図的に収集する必要がある。ただ、人が得ている情報は、聞こうとしている情報ばかりではない。雑談や物音など、意識せずに聞こえてくる音から得る情報も多い。
何気ない事務所内の情報を得ることで、人間関係や事務所内の雰囲気も理解することができた。
意識せずに聞こえてくる音や話し声から得る情報は
ものすごく大きいと思います。
言葉でのやり取りを文や手話に変えれば、それでコミュニケーション支援となるものではありません。
コミュニケーションは、人間関係やその場の雰囲気も
含んでいるのです。